図書館サービス概論

設題 身近な公共図書館都道府県立より、市町村立が望ましい)を観察し、このテキストに書いてあることと比較しつつ、その図書館の特徴を述べ、またあなたの具体的で実現可能な希望を列挙してください。
解答
      1行 1 はじめに
      2行  身近な公共図書館として、千葉市立稲毛図書館(所在地:千葉県千葉市稲毛区小仲台5-1-1)について観
      3行 察し、当該図書館の特徴を以下に記載する。
      4行 
      5行 2 収蔵・貸出状況
      6行  千葉市立稲毛図書館の所蔵資料数は、令和3年度で145,060点である。図書資料が141,501点(
      7行 一般書が111,199点、児童書が30,302点)、視聴覚資料が3,242点、紙芝居が317点という
      8行 内訳になっている。千葉市には、中央図書館のほか、当該図書館を含む6つの地区館がある。その中で所蔵資料
      9行 数は一番少ない。
    10行  年間の受入図書資料数は、令和3年度で1,776冊でうち869冊が寄贈である。受入数は前年に比べて4
    11行 51冊減少している。
    12行  所蔵資料貸出点数は、令和2年度で252,072点である。うち図書資料が244,806点、視聴覚資料
    13行 が7,266点である。これは千葉市内の図書館で4番目に多い。図書資料の貸出数を年度別に見ていくと、平
    14行 成28年度365,398冊、平成29年度361,344冊、平成30年度352,857冊、令和元年度3
    15行 44,342冊、令和2年度278,720冊、令和3年度244、806冊と年々減少傾向にある。
    16行  ちなみに、千葉市全体の人口1人当り資料数は2.74冊で他の政令指定都市(19市)と比べると3位で、
    17行 人口1人当り貸出数は3.60冊で他の政令指定都市と比べると10位である。
    18行 
    19行 3 基本サービス
    20行 (1)貸出・閲覧
    21行  千葉市内に居住しているか否かにかかわらず、利用カードを作成すれば、貸出が可能となる。貸出は、本・雑
    22行 誌・紙芝居が合計10冊まで、DVDが合計2点まで、CD・カセットテープが各2点までで、期間は2週間と
    23行 なっている。
    24行 (2)予約・リクエストサービス
    25行  さがしている資料がその図書館にないときは、予約ができる。貸出中などのときは、本・雑誌・紙芝居が合計
    26行 10冊まで、DVD・ビデオが合計4点まで、CD・カセットテープは各4点まで予約ができる。ただし、未所
    27行 蔵の資料は、千葉市に在住・在勤・在学の方のみリクエストが可能となっている。
    28行 (3)相互貸借
    29行  千葉市に在住・在勤・在学の方が未所蔵資料をリクエストした場合、県内の公共図書館、県立図書館、国立国
    30行 会図書館から取り寄せが可能である。ただし、本の貸出延長はできず、国立国会図書館からの資料については館
    31行 内閲覧のみとなっている。
    32行 (4)レファレンスサービス
    33行  稲毛図書館の参考資料スペースにおいて、参考図書、各種百科事典、政府刊行物、統計書、年鑑、新聞縮尺版
    34行 、地図、法令集を参照可能としている。当該スペースには閲覧席が5席用意されている。
    35行  また、調べたいこと、わからないことがあるときはカウンターに専用職員がおり、資料や情報をさがす手伝い
    36行 をしてくれる。
    37行 (5)複写サービス
    38行  カウンターに申込書を提出することで、稲毛図書館の資料に限り、著作権法の範囲内で有料でコピーできる。
    39行 (6)講座・その他事業
    40行  幅広い年齢層を対象に、郷土資料講座や美術講座をそれぞれ年1回開催している。読書祭りと称した催しを年
    41行 1回開催し、そのなかでリサイクルコーナーにて除籍本を無料配布している。
    42行 
    43行 4 対象別サービス
    44行 (1)児童サービス
    45行  毎週金曜日に定例おはなし会を開催している。また、児童展示を定期的に行っている。さらに、0~2歳児と
    46行 その保護者を対象にはじめてのおはなし会を開催し、今後のおはなし会参加につなげている。
    47行 (2)高齢者サービス
    48行  カラー拡大読書器の設置、ルーペの貸出、および大型本の提供を行っている。また、来館しなくても予約した
    49行 資料を自宅等で受け取ることのできる有料の宅配サービスも実施している。
    50行 (3)障害者サービス
    51行  かだが不自由で図書館に直接来られない方のために、希望する資料を自宅までお届けする宅配や郵送による貸
    52行 出サービスを無料で行っている。
    53行 (4)多文化サービス
    54行  ホームページに英語、中国語、韓国語の利用案内を掲載している。
    55行 
    56行 5 稲毛図書館への希望
    57行  稲毛図書館は図書資料の貸出数が年々減少傾向にある。要因として考えられるものに電子書籍サービスの普及
    58行 がある。令和3年度に開始された当該サービスは、開始時の提供コンテンツ数は約7,600点であったが、年
    59行 度末は8,866点に拡大した。図書館に来館しなくても貸出・返却が可能で、読み上げ機能にも対応している
    60行 ので、利用者には好評のようである。
    61行  とはいえ、令和3年以前からも図書資料の貸出数が減少していることを考えると別に要因があるはずである。
    62行 稲毛図書館の開館時間は午前9時から午後5時15分である。一般的な勤務時間の社会人にとっては、平日は利
    63行 用しづらいように感じられる。開館時間の延長は人件費の増大につながるため、24時間貸出ロッカーの導入で
    64行 利便性向上が図られるのではなかろうか。返却については、最寄駅に返却ポストを儲けるなどの工夫がみられる
    65行 ので更なる利便性向上に期待したい。
文字数 2008文字
添付
参考
文献
千葉市の図書館』千葉市教育委員会2022年
『千葉県の図書館』千葉県公共図書館協会2021年

講評

千葉市立図書館のことがよく調べられています。

ご希望が実現するよう、働きかけてみてください。

さらに他館を訪れ、相違点を考えてみてください。


総評: 合格